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2013年 01月 14日

安原一式に感じた幾つかの事

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写りについては、これはカメラ本体というよりむしろレンズの問題なんでパスするとして、
今回は気分的な問題も含めた使い心地について感じたことなどをつらつらと。



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●ファインダー
ブライトフレーム上下のラインが若干糸巻状に歪んでたりするのは萎えるけど、等倍ファ
インダーというのは確かにスナップに向いているかもしれない。両目を開いてのフレーミ
ングに違和感がないので被写体をフレーム外に置いて、いわゆる待ちのタイミングでのシ
ョットが気持ちいい位に決まる。

距離計の基線長は実測で32mm程度と短めだけど、これも等倍ファインダーなので(とい
っても正確なところは分からないので0.9倍としても)有効基線長にすると28.8mmと、手持
ちのベッサ25.9mmより長いことになるのでピント合わせもそれなりに期待できるし二重像
もまずまずの見え方で許容範囲内。

ブライトフレームが50mmにしか対応していないというのは、頻繁にレンズ交換するつもり
なら別だけど、そうでなければスッキリしていて見やすい。
50mmメインで、広角、中望遠をそれぞれ1本づつ使う程度なら、大げさに外付けファイン
ダーなんて付けなくても大凡の勘フレームングで何とかなりそうだ。


●内蔵露出計
TTL露出計が内蔵されていて、シャッター半押しでファインダー内左横にその時の露出状
態が+-でLED表示される仕組みなんだが、この表示自体が明るいところだとすこぶる見
難い。

また、測光範囲なのか精度の問題なのかわからないけど、自分の個体だと若干オーバー目
に表示されるようでISO感度を一段落とした状態で丁度良いように思う。(この辺りはも
う少し使い込んで測光のクセを掴まないと何とも言えないけど)

いずれにしても、ネガフィルムで街中をスナップしている分には特に露出計の必要も感じ
ないので、微妙な光線状態で悩んだ時の判断基準には十分実用になる。

※露出計のLEDの見難さは手元にあったNikonnのアイピースを付けたら少し改善された。

●レンズキャップ
チープな取説に書かれていた注意書きの「撮影しないときはレンズキャップをはめてくだ
さい」の件だが、今回はあえてレンズキャップなしで持ち歩いて2本ほど撮ってみたけど
全く問題は無かった。

当日はピーカンとまでは行かないものの晴天で、フィルム感度はカラーがISO100でモノク
ロがISO400、どちらも30分程度で撮り切ってしまったということもあるのかもしれない
が、高感度のフィルムを詰めて長時間放置しておくというような使い方をしない限りは、
それほど気にしなくても大丈夫なのかな?という気もする。

キャプをしていると、外し忘れて撮影してせかくのカットが未露光だった(^^;なんてこと
がちょくちょくあって、むしろこちらの方が自分には問題だった(^^;


●質感、操作感
はっきり言ってカメラに対してマゾヒズム的な気持ちがないと辛いかもしれない。
手持ちのロシアンカメラといい勝負(というか、ロシアンカメラの方が上かも(^^;)だが、
シャッターに関しては「撮影しないときは必ずレンズカバーを…」という仕様と引き換え
に、静かで軽いフィーリングが自分好みではある。

※ベッサは遮光性を重んじた結果があの音ですからね(^^;

細かなパーツの組み合わせも雑に感じられるし、材質やメッキ(塗装?)の質感もかなり
チープだけど、カメラ全体としてのフォルムが自分は好きなのと、首から下げたカメラを
見た時の「一式 T981」という漢字ロゴがたまらなく好きなので、これだけで写欲が高ま
るので、結果トータルとして満足度は高め。


●ちょっと気になるところ
ストラップの取り付け位置が悪くてチープな軽いレンズだとカメラが上を向いてしまって
持ち歩きが不便。

セルフタイマーのレバーがすぐに動いてしまう(カメラを構えたときに右手中指が丁度掛
かってしまう)

●かなり気になったころ
撮影後にフィルムを巻き戻す時のクランクの回転方向が逆時計回りの仕様になっている。
これは、手持ちのフィルムカメラを確認した限り安原一式だけで、他のカメラはみんな時
計回りに巻き戻すようになっている。

フィルムが入った状態のカメラを連想すれば直ぐにわかると思うんだけど、これは人間工
学的に考えても間違いなく不自然で、わかっていてもついつい反対に回してしまい焦る!

素人考えだけど、この辺りもきっとギア一つ追加すれば逆に回せるのにそれを省いたため
じゃないかと思ったりして、こうしたところにも先に書いた「カメラに対してマゾヒズム
的な気持」で接してあげないと「ダメだ、使い難い!」で終わってしまう(^^;



●最後に…
2011年に年間最低100本のフィルムは撮ると決めて、実際相当数のフィルム消費に
貢献したけど、去年はほとんど使わず終い。

現像に出したり仕上がりを待ったりする時間がめんどくさいってのと、結局のところ現像
からプリントまで含めたトータルで考えないとデジタルに対するアドバンテージがそれほ
どあるとも考えられなかったのがその理由だったけど、今回安原一式で街を徘徊して思っ
たことは、たとえ暗室作業を抜きにしても、やっぱりフィルムカメラ独特のリズム感とい
うか、被写体に対する気持ちの入り方にデジタルとは違った楽しさがあるってこと。

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フィルムで撮った写真にはその場の空気感まで写しこめる

なんてことは信じてないし

写真と呼べるのはやはりフィルムだけでデジタルは単なる画像だ

なんてことも全く思わない

ただ一つ言えることは
フィルムカメラには独特のリズムがある

そして、それがたまらなく楽しい


●余談
因みに、一式と書かれた文字の横にあるT981というのは
タイプ(T)1998年の1号機
NOはもちろんシリアル番号で生産台数
一式の販売台数が約4,000台ということだから、3514というのはまあ後期の方かもしれない。
いずれにしても、定価55,000円で4,000台としても売上高で約2億。製造工場との契約がど
んなものだったのかわからないけど、これだけのパーツ点数の工業製品をラインに乗せて2億の
売上高じゃあビジネスとしてはやはり成功とはいえないでしょうね。
更に、秋月なんて2号機まで開発して、こちらの販売台数はわからないけど一式よりは少量であ
ったことは間違いないだろうから、相当の赤字だったんじゃないかと…

こうして考えてみると、やっぱりこれは”夢カメラ”に間違いないと思うのです。

ところで、安原製作所
今でもミラーレス用の魚眼レンズとかマクロレンズを作ってるんですね。
商品名は、漢字表記に懲りたのか(^^;MADOKAやNANOHAとローマ字表記になってますけ
ど、「まどか」とか「なのは」と相変わらずなネーミングセンスは嫌いじゃないです。

ちょっと応援したくなっちゃたので魚眼レンズでもオーダーしようかと思ったのですが
マイクロフォーサーズ用MADOKAは開発中ですが、発売はもう少し先になります。
ってことでした。
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by tobi-photo | 2013-01-14 09:26 | - 雑記 -


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